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スパイダーマン デラックス・コレクターズ・エディション

DVD
メーカーソニー・ピクチャーズエンタテインメント
カタログ番号TSDD-32161
発売日2002年10月23日
定価4179円
スパイダーマン デラックス・コレクターズ・エディション
 

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ピックアップレビュー

打破から受容へ

「えっ、アクションなのにサム・ライミ?」と思っていたのだが、主人公の苦悩などもうまく描けていて、嬉しい裏切りだった。ダニー・エルフマンの音楽もピッタリだった。「スパイダーマン」は、「痛みのない」ヒーローではなかった。主人公ピーター・パーカーの叔父の、「大いなる力には、大きな責任が伴う」というセリフがこの映画の全てといっていい。力とは、不幸な現実を打破できる魔法ではなく、むしろ自分自身をシビアな不幸に直面させるものであり、それを受け入れるという人間的成長が必要とされるものである。自分が誤解を受けても犠牲を払っても力を正義のために役立てる決意をした「スパイダーマン」にあるのは、クモの特殊力ではなく、人間としての本当の強さなのだろう。運命は「打破」されるものではなく、「受容」されるもの、になりつつあるのだろうか。「悲劇のヒーロー」といえば、日本では「仮面ライダー」。『指輪物語』も、ブレイクしたのは同じ60〜70年代、ベトナム戦争反対運動などに参加した学生による。この頃、アメリカでは低成長の閉塞感に満ち、日本では安保闘争の最中という、戦後の日本を決める激動の時代だった。この、「時代の閉塞感」は、運命受容型ヒーローの誕生と無関係ではないと思う。そして今また、世界はこれまで信じてきた価値観の揺らぎに戸惑っている。こんな時代だからこそスパイダーマンがリバイバルし、普通のヒーローではなく、責任の伴う力、自己犠牲として描かれたのではないか。「スパイダーマン」の描かれ方、『指輪物語』成立から半世紀を経ての人気、そして日米ヒーロー物における悲劇のヒーロー像は、正に揺れる時代の象徴である。

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