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地獄の黙示録 特別完全版

DVD
メーカージェネオン エンタテインメント
カタログ番号PIBF-7364
発売日2002年07月25日
定価4935円
地獄の黙示録 特別完全版
 

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ピックアップレビュー

人間の自由を主題にした、深くキリスト教的な作品

 この映画は、ベトナム戦争をテーマにした映画ではない。ベトナム戦争は、この映画の背景に過ぎない。この映画が公開された当時、「この映画(『地獄の黙示録』)には、ベトナム人の視点が無い」と言った類の批判が散見されたが、そうした批判は、この作品の真のテーマが、ベトナム戦争を描く事ではなかった事を指摘した点では、当たって居たとも言へる。−−この映画に「ベトナム人の視点が無い」と言ふ批判に対しては、公開当時、フランシス・フォード=コッポラ監督が自ら述べた「それは、ベトナム人の監督がやるべき事だ。」と言ふ反論で十分であるが。  この映画のテーマは、戦争ではなく、人間の自由の問題である。即ち、軍の命令によって、カーツ大佐を殺しに、川を上る主人公が、自分がこれから行なおうとする殺人の正しさを自問し、最後に実行するまでの精神的過程が、この映画のテーマなのである。人間は自由であるが故に、善を行なふ事も、悪を行なふ事も出来る。主人公が、人間に与えられたその自由を意識し、自由の重みに苦悩する姿こそが、この映画の主題であり、それは、極めてキリスト教的なテーマであると、私は思ふ。(「ベトナム戦争」と言ふキーワードに捉われ過ぎると、この映画のこうした真の主題が見えなく成ると、私は思ふ)  余談であるが、この映画の撮影が始まる際、フランシス・フォード=コッポラ監督が、小林正樹監督の傑作『切腹』で撮影を担当した宮島義勇氏に撮影を依頼したものの、宮島氏が、「自分は日本の共産主義者だから」と言ふ理由でその依頼を断ったと言ふ逸話は興味深い。宮島義勇氏のファンである私としては、残念でならない話である。 (西岡昌紀・内科医)

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